きらきらカーテン

一人の病気ヲタクの備忘録

五月まとめ

六月ももう中旬だけど、五月行った舞台とライブまとめ。そんなにまとめるくらい多くもないけど下書きにあったからつい。



クロムモリブデン『空と雲とバラバラの奥様』

森の奥のそのまた奥に奥様の細道がありました。嫁ぎ嫁いだ花嫁が嫁いで驚愕!二人の旦那がお出迎え、他にも奥様いるじゃない、お妾さんもいるじゃない、姑さんも沢山いれば、女中も奴隷もてんこ盛り。バイトのような花嫁は、派遣妻になれるのか!正妻になれるのか!別れる時は分裂してもらいます!頭かくしてツノかくさず!ブキミなコトブキ!ウキウキコトブキ!何故人は嫁ぐのか!何故人は嫁を目指すのか!

www.crome.jp

なんじゃこりゃというタイトルと宣伝文だったけど、終わった後まずは「なんじゃこりゃ」となった。
で、ちょうど観劇のタイミングが同じだったフォロワーさんと話しながらゆっくり噛みしめていって、「ひょっとしてそうなのかな」という感じ。
岩瀬という大家族(実際は事件の加害者が被害者家族を召使/妻として吸収している)の物語。
二人の夫が四人の奥様(妻もしくは妾)と生活しているっていう奇妙なものなんだけど、それは岩瀬家やほかの家族をいろいろ裏で唆している外者の山野と妻に繋がっていくんだよね。
夫の一人である海彦は第一夫人を見ているのに、第一夫人であるテン(加害者の家族の娘)は彼を憎んで気がふれたふりをしつつ復讐をしようとしている。
山野は子供が産めず、そのことで気を病んで性格がバラバラになっていく(多重人格?)妻を繋ぎとめることができず、つい殺してしまう。
なんか似ているなあと思いました。
もしかして、この岩瀬家の奇妙な物語は山野の精神世界を描いていたのかもしれない。というのは考えすぎかな。

本当は加害者と被害者は逆の立場で、そのねじれがどんどん殺意と悪意を生んでいくんだけど、それは山野が心の中で産んでいた悪意と殺意両方と混じってどんどん膨らんでいく、それが怖かった。
最後第四夫人が産んだ赤ちゃんをみんなが抱っこし、高い高いをして山野が受け取ったときに彼は倒れてしまったんだけど。
その赤ちゃんは今までの殺意と悪意でできたもので、あまりに大きすぎてつぶされてしまったんだなあと解釈してます。
う~~ん、なんというかリドル・ストーリーというか…明確な終わりがなくて、バーン!と投げ出されてしまった。
そっちのほうが文章と文章に隙間があって考えやすいは考えやすいけど、あそこまで空白があるとちょっとわからなくなるな。
でも、なんだか好きです。


◇壱劇屋『新しい生活の提案』

「会社と家の往復の毎日、掃除して洗濯して日が暮れる、将来役立つか分からない学業とクラブ活動・・・日本の皆皆様、今の生活に飽き飽きしていませんか?壱劇屋はそんな皆皆様に新しい生活を提案いたします。今公演をご覧になった皆皆様には新しい生活が待っております。皆皆様のご来場を心よりお待ちしております。」
と書いてあるチラシを拾った。新しい生活の提案、と大きめのフォントで書かれてある。胡散臭い。だけれどもその胡散臭さに惹かれて行った場所は僕の住む町の市役所だった・・・。

ichigekiyaoffice.wixsite.com

壱劇屋はどんどんパントマイムがかっこよくなっていくなあ。
なんというか、どんどん洗練されていく感じ。

生活に不満を抱える主人公が色々な選択をしていくことでどんどん生活を新しく、そして奇妙にさせていくんだけど、その選択は今までの自分の生活からただ逃げ出そうとしているだけで、自分や家族たちと向き合おうとしていないだけなんだよね。
ただ今の状況から逃げ出そうとして、いろいろな選択をしてどんどん自分を窮地に追い込んでいく。
追い詰められて最後の最後にやっと自分と向き合うんだけど、本当の新しい生活っていうのはそうやって自分と向き合うことではじめて始まるんだろうな。
笑えつつぞっとする、手塚治虫藤子不二雄を彷彿とさせるブラックユーモアでした。*1

劇中では選択肢が登場するとき、主人公の前にカードが差し出されるんだけど、なんかCMでそういうのあったな…と思ったらオダギリジョーが出てた『ライフネット生命』だった。
どうやらそれをヒントに作られたものらしい。そう書いてました↓
壱劇屋『新しい生活の提案』 | ゲキオシ!|小劇場探求webマガジン


GRAPEVINE GRUESOME TWOSOME大阪
対バン初めてじゃん!と思ったけど、よくよく考えれば去年トライセラとのIN A LIFETIME行ったわ。
はじめましてのユニゾンさん。
事前に予習したおかげでほぼ全部「あっ、これこの曲だ!」って感じで楽しめました。
ずっと前にライブの田渕くんの可動域がすごい!みたいなツイート回ってきたけど、あの通りだった。めちゃくちゃ動く。
セットリストも<オリオンをなぞる><桜のあと(all quartet lead to the?)>や<シュガーソングとビターステップ>などのシングル曲を織り交ぜて、ユニゾン初心者にも安心のものだった。
最初が<エアリフルエイリアン>だったんだけど、まさか最初からそれでいくとは思わなかったからびっくりしたよね。
でも「この曲好きだな」って思ってたからうれしかった。

MCは斉藤くんがバインに対しての愛をぶつけててすごかった…強火だった…。
何度かバインと対バンしてるNICOに嫉妬してるのとかちょっとかわいかったけど、その後に田中に「いじけてる」とかなんとか言われてたのは爆笑しました。

バインさんは安定でした。あ、でも珍しく田中がよくしゃべっていた。
歌もめちゃくちゃ伸び伸びしてて、音も重厚感があってこれが20年のキャリアなんだなって思ったり。
バインも<ふれていたい>や<FLY>、あと<スロウ>とかのシングル曲が多かったな。
個人的にはバインを知るきっかけになった<豚の皿>が聴けて大満足だった。
ワンマンツアー神戸もチケット取ったので行きます。楽しみ~。

ECの締めに斉藤くんを呼んで<光について>を斉藤くんメインボーカルでやったのがもうすごいっていうか、贅沢な時間だったなって思う。
でも「昔の僕は「お前バインさんの歌聴きたいんだよ」ってたぶん思います」みたいなこと言ってたから、どんだけファンなんだよってちょっと笑いました。

*1:どっちかっていうと藤子不二雄かな