きらきらカーテン

一人の病気ヲタクの備忘録

推しは永遠ではない─キム・ジョンヒョンくんへ

永遠なんてものはない。
もちろんわたしたちの推しも永遠ではない。いつか彼らの活動が終わるときがくる。
これは多分、当たり前のことだ。
ジャニーズJr.を応援していた頃からそう思っていた。
それは俳優を応援し出してからも変わらず、いつか辞めてしまうかもしれないその時までそのひとを後悔せず応援したい。そう決めていた。
実際Jr.の担当はデビューできずに辞めたし、若手俳優推していた子も芸能界を去った。
長い間色んなヲタクをしている中で、沢山別れがあった。
でも、こんな形で別れるなんて思いもしなかった。


K-POP推していたグループの一つ、SHINeeのメンバーであるジョンヒョンが亡くなった。
ニュースで報道されてるように、自死を選んだとのこと。

ニュースが入ってきたのは丁度他のK-POPのグループの接触会があり、2泊3日の東京遠征から帰って来たところだった。
疲れてうたた寝をしたあと、Twitterを開いたらジョンヒョンのニュースが飛び込んできたのだ。
接触会を終え幸せだったわたしは、一気に絶望に叩き落とされた。


最初は「嘘だろ」としか言えなかった。
だって、彼らは3日前に日本でのドームコンを発表したばかりだったから。
それまでのわたしは、「ドームコン、生で5人を見られるんだ。9月のドーム行けなかったから今度こそ行きたいけどチケット取れるかな?」と呑気に考えていた。
ああ、その「生で5人を見られる」ということはもうできなくなってしまった。

わたしは「死」と向き合うということを体験したことがない。
幸いなことに身内や友達がみんな健康に生きてくれている。
だから、今回「死」と向き合うことがはじめてだった。
まさか、それが好きなアーティストだなんて考えもしなかった。

公式から正式に発表があった後はもう涙が止まらなくて過呼吸になって、あまり眠れなくて、今日はご飯も喉を通らなかった。
もうジョンヒョンが「いなくなった」、その現実がうまく飲み込めなかった。


SHINeeを知ったきっかけは、去年のFNS歌謡祭だ。
なんとなく名前は知っていたが、彼らのパフォーマンスを見るのはそのときがはじめてだった。
それまでわたしはK-POPにどことなく嫌悪感を抱いていた(今ではそれをとても恥じている)。
彼らが「Everybody」をパフォーマンスしているのを見たとき、感動したことは今でも覚えている。
ダンスも歌もすごくかっこよくて、衝撃的だった。
まるで身体に雷が走ったようだった。

それから違うK-POPのグループにはまり、流れるようにSHINeeも聴くようになった。
やはり彼らの圧倒的な歌唱力、そしてダンスパフォーマンスは鳥肌が立つくらいだった。
その中で、わたしは特にジョンヒョンとミンホが好きだった。
ミンホは爽やかなルックスでラップを軽やかに歌うところが好きだ。
そして、ジョンヒョンはなにより彼の歌声が好きだった。
高く、そしてどこまでも飛んでいきそうな澄んだ彼の歌声が。
その歌声は、もうCDでしか聴けることはない。
彼の生の歌声は、もう一生聴けない。

わたしはSHINeeを知ってから日が浅い。
他のシャヲル(SHINeeのファン)の皆さんの悲しみの方が深いに違いない。
こんな所謂茶の間がこんなことを言うのは申し訳ない。
それでも、悲しくて悲しくてたまらないのだ。
なにか文章を書かないと気が済まないのだ。
どうかこんなわたしを許してください。


ジョンヒョンの遺書の和訳はTwitterで回ってきた。
彼の苦しみのほんの一部分だけど、それが綴られていて、読むだけで涙が止まらなくなった。

私は中(心)から故障した。
ゆっくり僕をかじって食べた憂鬱は、最終的に僕を飲み込んで僕はそれに勝つことができなかった。

もう他に何を話せと。ただお疲れ様と言って。
これぐらいしたら良くやったんだと。苦労したねって言って。


※引用させていただきました。問題があれば削除いたします。


なんだかもう、上手く言えないけど。
ジョンヒョンの気持ちはわたしにはこれっぽっちもわからない。
彼が自死を選ぶほど追い詰められていたということさえ知らない。

ねえジョンヒョン、わたしは今後悔ばかりしているよ。
9月のドームコン、チケットをなんとか探してあなたを見ていればよかった。
そしてもっと早くSHINeeのことを知っていれば、そしてK-POPへの偏見なんかなければもっとあなたのことを応援できたのに。
苦しんでいたのを知らなくてごめんね。
今まで頑張ったんだよね。辛かったよね。
あなたがどんなに苦しんだか、わからないことがもどかしいよ。

わたしはまだ覚悟がないから、冥福を祈ることなんてできない。
お疲れ様、ゆっくり休んでなんてことも言えない。
こんなことを言っておいて、やっぱりまだ彼がいなくなった事実をどこかで受け入れられないんだと思う。

でも今、これだけは言います。
あなたの歌声を、あなたを愛しています。今までもこれからも。


推しとの別れは突然来ることが多い。
もしかしたらこんな、ジョンヒョンのようなケースもないとは言い切れないかもしれない。
それでも、別れが来るまでわたしは推したちを応援し続ける。
後悔しないように。
そう、強く思う。


最後に、ジョンヒョンくんへ。

君からもらった空の色
風に吹かれ歩いてゆく
君から学んだその後で
僕は何を返すんだろう
逢いたいよ

夢からさめてしまわないように
夢の先の事を考えて泣くのはもうやめておこう

夢からさめてしまわぬように - syrup16g - 歌詞 : 歌ネット